コロナと男女の雇用
コロナと雇用に関しては、「新型コロナウイルスと雇用・暮らしに関するNHK・JILPT共同調査@周燕飛」( http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-362a85.html )で紹介されている独自の調査に基づく立派な分析があるが、ここでは、前回に引き続いて政府の統計、労働力調査の2020年12月分を用いて分析してみた。
15歳以上人口は、男は15万人、0.3%の減少で、女も12万人、0.2%の減少であった。労働力人口は、男は16万人、0.4%の減少、女は7万人、0.2%の減少であった。この結果、労働力人口比率は、男は0.1%ポイント、女は変化なしであった。変化幅に大きな男女差は見られない。今回のようなショックがあると、女性が労働市場から退出するという可能性は理論的にはあるが、現実にはそのような動きは一時的にはあっても、持続的ではなさそうである。働きたい、働く必要があるというのは、男女とも同じであるようだ。退出による労働市場の需給好転は期待しない方が良い。
就業者は、男は44万人、1.2%減少、女は27万人、0.9%減少であった。人数、率の両方とも男の方が厳しい。ただ、率の差はそれほど大きくはない。
就業者のうち従業者は、男は54万人、1.5%減少、女は33万人、1.1%の減少であった。傾向に男女差はないが、人数、率とも男性の方が厳しい。
従業者のうち「主に仕事」は、男は44万人、1.3%減少であったが、女は30万人、1.5%の増加であった。男女の明暗がはっきりと表れている。統計を読む前は、傾向に大きな男女差はないだろうと思っていたが、予想は外れた。 従業者のうち「主に仕事」は、男は44万人、1.3%減少であったが、女は30万人、1.5%の増加であった。男女の明暗がはっきりと表れている。統計を読む前は、傾向に大きな男女差はないだろうと思っていたが、予想は外れた。引き続き、従業者の内訳を見ていく。「通学のかたわらに仕事」は、男は14万人、12.8%の減少、女は13万人、11.3%の減少である。減少率は男女ともに大きい。傾向に男女差は見られない。従業者のうち「家事のかたわらに仕事」は男は4万人、5.3%の増加、女は50万人、6.8%の減少と、傾向に差が見られた。ただ、2020年12月の段階で女は689万人であるのに対し、男は79万人で、男の人数は少ない。人数が少ない場合には、統計数字のブレが大きくなりやすいので、注意が必要である。
就業者のうち休業者は、男は9万人、11.3%の増加、女も6万人、5.6%の増加であった。増加という点に差はないが、男性の増加率が高い。男の従業者が減ったほど、就業者が減らなかったのは休業者の増加の効果である。雇用調整助成金に救われた男性は多かっただろう。もちろん女性も救われている。
就業者のうち「役員を除く雇用者」は、男は43万人、1.4%減少、女も29万人、1.1%減少であった。傾向に差はなく、率で見ると男の方がやや厳しい。
「役員を除く雇用者」のうち、「正規の職員・従業員」は男は15万人、0.6%の減少、女は逆に、30万人2.6%の増加であった。男女で傾向が逆になっている。
これに対して、「非正規の職員・従業員」は、男も27万人3.9%の減少、女も59万人、4.0%の減少である。減少傾向は共通している。仮に女性の非正規が正規に転換できたのだとしても、非正規は減っている。正規に比べて非正規の打撃は大きいといえよう。
非正規のうち「パート」は、男が1万人、0.8%の減少、女が29万人、3.1%の減少であった。減少傾向は共通である。同じく「アルバイト」は、男も15万人、6.1%の減少、女も23万人、8.9%の減少である。傾向に男女差はない。また、「パート」よりも「アルバイト」の減少率の方が大きいというのも、男女共通している。前回も書いたが、12月のアルバイトには特殊要因があり得る。
完全失業者は、男は28万人、女も20万人増加した。完全失業率は、男も女も0.7%ポイント上昇した。傾向に男女差はない。なお、2020年12月の完全失業者は、男116万人、女78万人であり、完全失業率は、男3.0%、女2.6%であった。
まとめると、コロナ問題が発生してからほぼ1年たった段階では、基本的には男女とも打撃を受けていて、あえて言えば男性の打撃の方が大きそうである。しかし、男女差よりも、正規、非正規の差の方が大きい。これは非正規が雇用の調整弁の役割を果たしていることを反映していると思われる。非正規に着目した政策が必要だろう。
15歳以上人口は、男は15万人、0.3%の減少で、女も12万人、0.2%の減少であった。労働力人口は、男は16万人、0.4%の減少、女は7万人、0.2%の減少であった。この結果、労働力人口比率は、男は0.1%ポイント、女は変化なしであった。変化幅に大きな男女差は見られない。今回のようなショックがあると、女性が労働市場から退出するという可能性は理論的にはあるが、現実にはそのような動きは一時的にはあっても、持続的ではなさそうである。働きたい、働く必要があるというのは、男女とも同じであるようだ。退出による労働市場の需給好転は期待しない方が良い。
就業者は、男は44万人、1.2%減少、女は27万人、0.9%減少であった。人数、率の両方とも男の方が厳しい。ただ、率の差はそれほど大きくはない。
就業者のうち従業者は、男は54万人、1.5%減少、女は33万人、1.1%の減少であった。傾向に男女差はないが、人数、率とも男性の方が厳しい。
従業者のうち「主に仕事」は、男は44万人、1.3%減少であったが、女は30万人、1.5%の増加であった。男女の明暗がはっきりと表れている。統計を読む前は、傾向に大きな男女差はないだろうと思っていたが、予想は外れた。 従業者のうち「主に仕事」は、男は44万人、1.3%減少であったが、女は30万人、1.5%の増加であった。男女の明暗がはっきりと表れている。統計を読む前は、傾向に大きな男女差はないだろうと思っていたが、予想は外れた。引き続き、従業者の内訳を見ていく。「通学のかたわらに仕事」は、男は14万人、12.8%の減少、女は13万人、11.3%の減少である。減少率は男女ともに大きい。傾向に男女差は見られない。従業者のうち「家事のかたわらに仕事」は男は4万人、5.3%の増加、女は50万人、6.8%の減少と、傾向に差が見られた。ただ、2020年12月の段階で女は689万人であるのに対し、男は79万人で、男の人数は少ない。人数が少ない場合には、統計数字のブレが大きくなりやすいので、注意が必要である。
就業者のうち休業者は、男は9万人、11.3%の増加、女も6万人、5.6%の増加であった。増加という点に差はないが、男性の増加率が高い。男の従業者が減ったほど、就業者が減らなかったのは休業者の増加の効果である。雇用調整助成金に救われた男性は多かっただろう。もちろん女性も救われている。
就業者のうち「役員を除く雇用者」は、男は43万人、1.4%減少、女も29万人、1.1%減少であった。傾向に差はなく、率で見ると男の方がやや厳しい。
「役員を除く雇用者」のうち、「正規の職員・従業員」は男は15万人、0.6%の減少、女は逆に、30万人2.6%の増加であった。男女で傾向が逆になっている。
これに対して、「非正規の職員・従業員」は、男も27万人3.9%の減少、女も59万人、4.0%の減少である。減少傾向は共通している。仮に女性の非正規が正規に転換できたのだとしても、非正規は減っている。正規に比べて非正規の打撃は大きいといえよう。
非正規のうち「パート」は、男が1万人、0.8%の減少、女が29万人、3.1%の減少であった。減少傾向は共通である。同じく「アルバイト」は、男も15万人、6.1%の減少、女も23万人、8.9%の減少である。傾向に男女差はない。また、「パート」よりも「アルバイト」の減少率の方が大きいというのも、男女共通している。前回も書いたが、12月のアルバイトには特殊要因があり得る。
完全失業者は、男は28万人、女も20万人増加した。完全失業率は、男も女も0.7%ポイント上昇した。傾向に男女差はない。なお、2020年12月の完全失業者は、男116万人、女78万人であり、完全失業率は、男3.0%、女2.6%であった。
まとめると、コロナ問題が発生してからほぼ1年たった段階では、基本的には男女とも打撃を受けていて、あえて言えば男性の打撃の方が大きそうである。しかし、男女差よりも、正規、非正規の差の方が大きい。これは非正規が雇用の調整弁の役割を果たしていることを反映していると思われる。非正規に着目した政策が必要だろう。